Staff Interviewスタッフインタビュー

ヴィンセント・ディアマンテが語る作曲、指導、そして次世代へのインスピレーション

Composer, Sound Directorヴィンセント・ディアマンテ

作曲家ヴィンセント・ディアマンテさんはこれまで『Sky 星を紡ぐ子どもたち』をはじめとする数々の名作ゲームのサウンドトラックを手掛けてきました。その一方で南カリフォルニア大学(USC)で10年以上にわたって学生たちに影響を与えてきた、献身的な教育者でもあります。また彼の専門知識の豊富さやプロジェクトにもフィットする柔軟性は、thatgamecompany や Wildlife Studios、ソニー、コナミといった企業での経歴が物語っています。

『Sky 星を紡ぐ子どもたち』©︎ thatgamecompany 2024

今回は Game Audio Network Guild Awardsへのノミネートなど、ゲームシーンで影響を与え続けるヴィンセントさんに、創作のプロセスやゲーム音楽を作曲する上でのやりがい、そして次世代のミュージシャンと情熱を共有することの大切さについてお話しいただきました。


初めに、自己紹介をお願いします

ヴィンセント・ディアマンテです。ワシントンD.C.近郊で生まれ、メリーランド州のD.C.で育ちました。幼少はとても楽しい思い出がいっぱいです。ピアノに夢中で、生徒としては優秀な方だったと思います。ピアノに没頭しすぎて、他のことがおろそかになることもありました。小学校の校長先生に「ピアノで生計を立てることはできない。だから音楽の授業のことは気にするな。もっと優秀な生徒にならなきゃ」と言われたことさえあります。誤解がなければと思いますが、私はもともと勉強も優秀で、別に落第生だったわけではありません。ただ、私は幼い頃から、音楽と共に生きていきたいと思っていたんです。

作曲やサウンドデザインを始めたきっかけを教えてもらえますか?

地元に「Arrows」というビデオレンタル店がありました。そこでは、どういうわけか、90年代半ばにはすでにインターネットサービスも提供していました。店に行くとみんな、クリエイティブなことを共有しているオンラインのニュースグループを見ていました。そのグループでは、才能豊かで技術志向のミュージック・トラッカーたちや、コンピューターミュージックに情熱を燃やす人たちに出会いました。10代前半だった私は、コンピューターで素晴らしい音楽を作る先輩たちと交流しながら、彼らのやっていることを理解しようと必死になっていました。オンラインの同志たちを私はメンターのように感じていましたし、音楽に没頭していたので、彼らとのやり取りに夢中でした。

あの頃はすごく楽しかったし、それが全てでした。4キロバイトに収まる音楽の可能性をただひたすら探求していました。フロッピーディスクに収められた50~60分の音楽は、信じられないほど複雑で緻密でした。小さなサンプルの断片を集めただけなのに、まるでリッチなシンセサイザーのように響きました。


「若い頃から、音楽が人生の一部であってほしい思っていました」

ゲーム音楽を作曲する上で、どのプロセスが一番好きですか?

この仕事の楽しさはプロジェクトが自分一人の力ではどうにもならないところにあり、大規模だからこそ生まれるのだと思っています。プログラマーやアーティスト、キャラクターデザイナー、そしてアニメーション制作者の方々と仕事をするのは本当に面白く、特にアニメーターの方々と一緒に考えて、キャラクターの意図と直接つながるようなサウンドを作るのが大好きです。例えば、親の期待に応えられないというフラストレーションをキャラクターに感じさせたいとしたらどうなるでしょうか? ライターは脚本を書く時に、アーティストは顔をデザインする時に、そしてそれぞれのポジションの皆が「それ」を考えています。だから私も、彼らと同じように考えを巡らせます。アーティストがそれぞれゲームの様々な部分を開発している中で、頭の中で起こっているのかを知れることは何よりもワクワクします。


「成長せずにやっていくこともできるけど、それはあまり楽しくなさそうだ」

ビデオゲームの作曲家として最もやりがいを感じた経験を教えてください。

最もやりがいを感じるのは、一緒に仕事をしている人たちがまだ見つけられていない「何か」を発見させられた時です。ある時、私はキャラクターの音楽を書いていて、彼らはまだそのキャラクターを練り上げている最中でした。彼らは私が書いた音楽を聴くと、すぐにそのキャラクターのあるべき姿を洗い出そうと動き始めました。アートを取り出して、音楽からのインスピレーションを元に、ブラッシュアップを始めたんです。やがてアーティストの一人が私のところにやって来て「音楽を聴いてイメージが湧き上がってきました。やっとこのキャラクターのことが理解できたように思います。アニメーションのリズムを少し変えて、走り方が左右非対称にしてみます」と言いました。この変更によって、彼らのキャラクターは以前よりもはるかに個性的になりました。

WHISTLERとの仕事では、どんなところに魅力を感じますか?

まずここにいるスタッフは、みんな素晴らしいです。中にはWHISTLER に来る前からの知り合いもいます。彼らのやっていることすべてに、ワクワクさせられています。私たちは成長し続けなければならないですよね? 成長せずにただ何かをするだけでいることもできますが、それはあまり楽しくなさそうです。だから他の人、特にここにいるすべての人たちと繋がることを大切にしています。

ヴィンセントさん、お話しいただきありがとうございました!


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